丹野 貴行
慶應義塾大学先導研究センター（CARLS）・非常勤研究員
■研究内容
自らの行動とその結果の因果性を、個体はどのように学習しているのだろうか。ラットにとっての重要な要因は両者の時間的接近性であるが（Tanno & Sakagami, 2008; Tanno et al., 2009）、ヒトの場合はこれに加え、因果性に時間が関与するか否かという、因果構造の推論も重要であることがこれまでの研究で示された（Tanno, 2009）。では、果たしてこの種の因果推論はヒトに特有のものだろうか。本グローバルCOEにおける研究の目的は、コモンマーモセットを用いた実験によりこれを検討することである。
■学歴
2000年 福島工業高等専門学校土木工学科卒業
2002年 駒澤大学文学部心理学科卒業
2005年 慶應義塾大学大学院社会学研究科修士課程 修了
2008年 慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程 単位取得退学
2009年 博士（心理学） 慶應義塾大学
■発表論文
丹野貴行・坂上貴之 (2005). 変動比率強化スケジュールと変動時隔強化スケジュールの間の反応遂行の違い 心理学評論, 48, 186-206.
Silberberg, A., Goto, K., Hachiga, Y., & Tanno, T. (2008). Schedule discrimination in a mixed schedule: implications for models of the variable-ratio, variable-interval rate difference. Behavioural Processes,7810-16.
丹野貴行 (2008). 比較の共通理解とは何か 動物心理学研究, 58, 92-93.
丹野貴行・神谷直樹・坂上貴之 (2008). 確率モデルおよび空間統計学を用いた注視点の分析 基礎心理学研究, 27, 26-31.
Tanno, T., & Sakagami, T. (2008). On the primacy of molecular processes in determining response rates under variable-ratio and variable-interval schedules.Journal of the Experimental Analysis of Behavior, 89,5-14.
Tanno, T., Silberberg, A., & Sakagami, T (2009). Single-sample discrimination of different schedules' reinforced interresponse times.Journal of the Experimental Analysis of Behavior, 91,157-167.
Tanno, T., Silberberg, A., & Sakagami, T. (Accepted). Concurrent VR VI schedules: Primacy of molar control of preference and molecular control of response rates. Learning & Behavior.