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石井 拓

■所属・職名
慶應義塾大学社会学研究科(CARLS)・特別研究助教


■研究内容
私は行動分析学を専門としています。CARLSの研究テーマである論理と感性のどちらについても、人間やその他の動物の行動を抜きにしては語れません。そこで当拠点の脳と進化班では、コモンマーモセットをモデル動物として論理と感性の研究を行うために、この動物を使った行動研究手法の確立を目指しています。コモンマーモセットは伝統的によく使われてきたマウスやラットなどよりも遺伝的に人間に近く、またマカクザルなどに比べて小型で扱いやすいという、実験動物としての優れた特長をもっています。そのため、この動物の行動を研究して人間行動との類似点や相違点を明らかにすることで、人間行動の生物学的基盤の解明が大きく進むことが期待されています。私はこれまで主にハトを被験体として選択行動や計時行動の研究をしてきましたので、その経験を生かしてコモンマーモセットの衝動性とセルフコントロールを調べることで、感性と論理の相克の1側面について明らかにしていきたいと思っています。


■学位
博士(心理学)


■受賞歴
2000年12月 2000年度基礎心理学会優秀発表賞(日本基礎心理学会第19回大会)
2001年9月  2001年度基礎心理学会優秀発表賞(日本基礎心理学会第20回大会)


■学術論文

石井拓 動物のインターバル計時の理論と論点I―静的特徴を中心として― 心理学評論 心理学評論刊行会 2008年 第51巻 第4号 526-546頁

石井拓 動物のインターバル計時の理論と論点II―動的特徴を中心として― 心理学評論 心理学評論刊行会 2008年 第51巻 第4号 547-566頁

Ishii, T., & Sakagami, T. (2007). Reinforcement omission in concurrent fixed-interval and random interval schedules. Behavioural Processes, 74, 334-341.

Ishii, T., & Sakagami, T. (2002) Effects of discriminative stimuli under concurrent fixed-interval and random-interval schedules. The Japanese Journal of Psychonomic Science, 21, 37-38.

Ishii, T., & Sakagami, T. (2002). Self-control and impulsiveness with asynchronous presentation of reinforcement schedules. Behavioural Processes, 59, 25-35.

石井拓・坂上貴之 強化子提示を待つ間の衝動性と自己制御 基礎心理学研究 2001年 第20巻 第1号 49-50頁