論理と感性の先端的教育研究拠点 慶應義塾大学　グローバルCOEプログラム　人文科学分野

■研究内容
エトムント・フッサールの現象学を中心に、19世紀後半から20世紀前半にかけてのオーストリア・ドイツ哲学を研究しています。フッサール現象学の独自性は、われわれ自身がその一部であるような世界の構造を明らかにするために、〈概念能力と感性的能力によってわれわれが世界に関係する仕方〉に着目した点にあります。とはいえここで「われわれ」が意味するのは、自然種としてのヒトに限定されないような、概念能力と感性的能力を備えた有限の存在者一般のことです。したがってフッサールは自身の現象学をわれわれの経験が備える一般的構造を分析する学科と考え、それを心や意識に関するあらゆる経験的研究から独立したものと見なします。しかし、「アプリオリズム」と呼ばれるこうした発想は維持可能かということは、フッサールの同時代および現代における重要な哲学的問題の一つです。私の研究は哲学史的考察に重きを置きますが、その一方で、こうした問題に哲学史的考察を通じて取り組むことも目指しています。

■学歴・職歴
2000年4月〜2004年3月：慶應義塾大学文学部人文社会学科（哲学専攻）
2004年4月〜2006年3月：同大学院文学研究科修士課程（哲学・倫理学専攻）
2006年4月〜2009年3月：日本学術振興会特別研究員（DC1）
2000年4月〜2010年3月：慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程（哲学・倫理学専攻）

■発表論文