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山根 千明

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■所属・職名
慶應義塾大学先導研究センター(CARLS)・非常勤研究員





■研究内容
私の研究する1920年代は、2次元 平面という芸術作品が成立する場にきわめてラディカルな変化が起こった時代であると言える。すなわち、伝統的絵画において、「 陰影」は事物の立体性空間性のイリュージョンに主に関わってきたが、それにとどまらず、実は時間性とも強く連動していることが明 らかになったのである。たとえば、1919年に設立されたドイツの造形学校バウハウスでは、コントラストやグラデーションという形式のもと に、また、1920年代全体は映像という形式のもとに、陰影による時間表現の可能性を追求したといっても過言ではない。光学器 械から発せられる実際の光が積極的に造形に取り入れられた時代において、同時代の知覚に関する科学的な研究がいかに影響 をもたらしたのか。当時制作されたさまざまな試みの中でもとりわけ実験的・領域横断的であったバウハウス、中でも ヒルシュフェルト =マック、L. モホイ=ナジ、J. アルバースらの作品を手掛かりに明らかにする。


■学歴
慶應義塾大学大学院文学研究科美 学美術史学専攻美学美術史学分野後期博士課程3年在学中


■発表論文・学会発表

第60回美学会全国大会「色光で描く ―― L. ヒルシュフェルト=マックの《Farbenlichtspiele(色光運動)》」(2009年)