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つくばカラス舎生態研究施設

 本グローバルCOE の前身である21世紀COE以来、我々の「心」を、放散・収斂という進化の視点から比較的に理解すべく、動物の行動と脳の研究を進めてきました。その一環として、カラスの行動・脳の研究があります。鳥類は数億年もの間、霊長類と全く異なる進化の歴史を歩んできた種ですが、なかでもカラスは"発達した大脳"や"社会生活の複雑さ"など、生理・生態諸条件に、霊長類との共通点を多く見ることができます。我々の心の諸機能のうち、他者との問題を解決・調整する能力、いわゆる"社会的知性"は、複雑な社会への適応という必要性と、発達した大脳という生理基盤が、互いにゆりかごとなって進化的に産み出された、という仮説(社会的複雑性仮説)が、霊長類研究を発端として盛んに検証され、支持する知見が多く蓄積されてきました。一方、検証対象として、これらの諸条件を備える動物は霊長類に限らず、ひいては哺乳類に限りません。霊長類とは異なる進化的起源をもつ鳥類カラスが近年、盛んに研究されています。カラスは、上述の通り、生理・生態条件において、霊長類との共通性を見ることができます。実際に、エピソード様記憶や将来計画能力、他者視点投影の能力など、霊長類に匹敵する社会的認知機能を持つことが明らかにされつつあります。

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